Shimane Prefectural Hamada Business High School

令和3年度 第57回 入学式

校長式辞より
 新入生保護者にお祝いの言葉を述べ、コロナ禍での生活や競泳の池江璃花子選手のことにふれ激励の言葉を述べました。
その一部を紹介します。
 【コロナ禍の危機は未だ去っていませんが、コロナ禍と向き合っていく2年目の年に入りました。厳しい状況は続きますが、昨年の経験や反省を生かして、学習と部活動を両立させ、昨年以上に「達成感や充実感」のあるものに出来れば良いと思います。
つい先日、競泳の池江璃花子選手が日本選手権の100メートルバタフライで優勝し、東京五輪の400メートルメドレーリレーの代表選手に選ばれ、さらに昨日も、100メートル自由形で優勝し、400メートルリレーの代表に決まった、というニュースがありました。約2年前に白血病と診断され、長い入院生活で体力も筋力も落ち、それでも回復を待って練習を始め、当初、東京五輪は間に合わないので次のパリ五輪を目指していたといいます。それが日本選手権への参加を決めて、わずか2ヶ月足らずで優勝。驚異の回復力とつらい思いをしても諦めなかったことに多くのメディアが賞賛の記事を取り上げました。  
私がここで注目したのは、池江選手が言った「努力は必ず報われる」という言葉です。言葉だけを単純に捉えると、確かにそうありたいですが、現実は努力しても叶わない人たちの方が多く、池江選手は元々才能があるからだという声も聞こえてきそうです。私は逆に「報われる努力とはどんな努力か」という「努力の条件」に着目してみました。すると、池江選手の場合、こんな思いがあったことがわかりました。自分にはまだ全盛期の筋力が戻っていない。終盤で腕がきつくなりタイムが落ちる。だから全力で水をかくのではなくストロークを減らす泳ぎ方に切り替えた。また、予選や準決勝で折り返しのターンに不安が残ったので決勝ではキックの回数に微調整を行って、その結果、大幅にタイムを向上させることが出来たと言います。つまり、池江選手の努力は「自分の現状をよく知り」「的確な目標を定め」「状況の変化を読みとり」「目標に対して丁寧に修正していける」努力だと思います。よくある、誰もがする漠然とした努力ではなく、自分に合った緻密に計算された努力だったのではないかと思います。皆さんも、高校生活を通して、自分を知り、周囲の状況を判断し、自分に合った最大の努力をしてみてはいかがでしょうか。積極的に行動していろいろなことを吸収してほしいと思います。
 多くの出会いと伝統を持つこの浜田商業高校へのご入学を寿ぎ、私ども教職員、全力を尽くして教育に当たる決意を表明し、保護者の皆様に、本校の教育活動へのご理解とご支援をお願い申し上げ、式辞といたします。】