3月1日(土)10:00から第58回卒業証書授与式を厳かに挙行しました。
生徒会長の上野さんは「入学した令和4年はコロナ禍の影響もあり全員がマスク着用とされ、クラスメイトや担任の先生の顔も半分しかわからない中での浜商生活が始まりました。」と3年前を振り返り・・勉強、学校行事、部活動、生徒会活動をとおして自分の成長を伝えました。その活動の中で、人のために頑張ろうという気持ちになったことを話し、「4月から地元で働き、出会った人やこれから出会う人のためにも精いっぱい頑張ります。」と誓いました。また、母親に「苦労はあったと思うけど笑顔を絶やさず一人で今日まで育てて支えてくれたお母さん。感謝をしてもしきれません。」と涙ぐみながら感謝の気持ちを伝えました。
ただ今、卒業証書を授与しました商業科 38名、情報処理科 36名の皆さん、様々な経験を経て、卒業の日を迎えたことを心からお祝い申し上げます。この3年間、勉強や部活動、日々の生活の中で、辛いことや苦しいこともあったと思います。しかし、皆さんはそれらを一つ一つ乗り越え、晴れやかな笑顔で卒業という大きな節目を迎えることができました。この日を迎えることができたのは、何よりも皆さん自身の努力の賜物です。しかし、忘れてはならないのは、家族や先生、友達、後輩、地域の方など、皆さんを支えてくださった方の存在です。皆さんの周りには、いつも背中を押してくれた方、成長をサポートしてくれた方、温かく見守り、応援してくださった方がいたはずです。皆さんが卒業の日を迎えられたのは、多くの方の支えがあったからです。本日、高校卒業というゴールを迎えましたが、それと同時に新しい人生のスタート地点に立っています。感謝の気持ちを忘れずに、これからの人生を歩んでください。
どんな道に進んでも、皆さんには共通して大切にして欲しいことがあります。それは、「人を思いやること、夢を持つこと、命を大切にすること」です。
今、社会は大きな変革の時を迎えています。人々の価値観や生き方も多様化しています。これから向かう先で、他者と協力し、支え合いながら、共に成長していくことが、豊かな人生を築くことにつながります。人とのつながり、思いやりの心を忘れずに、誠実に生きてください。
夢を持つこと。人生は、無限の可能性に満ちています。自分の可能性を引き出すために、どう生きるかが大切です。夢を持ち、その夢に向かって努力し続けてください。その過程で得られる経験が、皆さんを成長させ、大きな原動力になります。
そして、どんなに素晴らしい未来が待っていようとも、大切にして欲しいのは『命』です。命は、何ものにも代えがたいものです。自分の命を守ること、他人の命を大切にすることを常に意識してください。自分の心と体を大切にし、無理をせず、休むことの重要さも忘れないでください。命を大切にし、小さな命も無駄にしないという強い気持ちを持って生きてください。
これからの人生ので、いつも「恩返し」と「恩送り」の精神を忘れないで欲しいと思います。皆さんがお世話になった方には恩を返し、そして自分が受けた恩を、次の世代に送っていくことが大切です。アメリカの哲学者、ラルフ・ワルド・エマーソンは、「一度受けた恩は、未来に向かって返していくものだ」と言っています。皆さんが受けた恩を次の世代に伝えていくこと、つまり「恩送り」をすることで、社会はもっと良いものになります。恩がつながっていくことを願っています。
さて、浜田市・江津市は皆さんの故郷であり、皆さんのルーツとなる地域です。今後、皆さんがどこにいても、この地域のことを想い、地域活性化に貢献できるような人材として、成長してください。探究活動等で、地域の課題を見つけ、その解決策を提案した人も多くいます。提案するだけではなく、実践することが大切です。今後もふるさとを愛し、ふるさとのために自分にできることを考え、ぜひ行動に移してください。皆さんが浜田市・江津市を、より良い町にしていく、担い手となることを、期待しています。
4月から、新たな一歩を踏み出す卒業生の皆さん。挑戦することに不安や怖さを感じることもあるかもしれませんが、浜田商業高校で培ってきた人間力、コミュニケーション力、社会貢献力、主体的行動力、自己開発力、挑戦力があり、皆さんは、価値のある立派な人間です。先ほども言いましたが「人を思いやり、夢を持ち、命を大切にする」ことを忘れずに前進すれば、輝く未来が待っていると私は信じています。
最後に浜田商業高校を巣立っていく卒業生の皆さんを誇りに思い、新しい道での活躍と幸せを心から祈り、式辞といたします。
令和7年 3月 1日
島根県立浜田商業高等学校長 中 澤 雅 美